Jewelry Dictionary / ジュエリー大辞典
■人類の歴史と共に生きてきたジュエリー。古代、人々は獣の骨や貝殻で作った装身具を身につけていました。ジュエリーの元祖は装飾品というよりも呪術的な要素が濃く、人々の行動や暮らしに強い影響を及ぼす存在だったのです。
地球的な視野でジュエリーの歴史をたどってみると、装飾品が本格的な宝飾品として使用されるようになったのは紀元前3000年頃のエジプト黄金時代あたりからで、ツタンカーメンの墓から発掘された副飾品に例を見ることができます。中世になると宝飾品は王侯貴族達の権力の象徴となり、貴族達はこぞってその贅沢を競い合いました。
宝飾品が一般大衆の間に定着たのはずっと後になってからのことで、南アフリカのダイアモンドの大鉱脈をはじめ、各地で様々な宝石の鉱脈が発見された19世紀後半頃からです。
明るい光で包みこむように、身につける人を生き生きと輝かせるジュエリー。時代の流れに惑わされない永遠の美しさには、それぞれに個性があり、独自の主張があります。
宝飾品は、石のみは宝石と呼び、宝石が地金(貴金属)にセットされた状態や地金のみの完成品をジュエリー(宝飾品)といいます。装身具はアクセサリー類を含めた総称です。
◆宝石辞典◆


DIAMOND【ダイアモンド】
4月の誕生石:清純無垢・純潔
和名:金剛石
成分:C(炭素)
結晶系:等軸晶系
モース硬度:10
屈折率:2.417
分散度:0.044
比重:3.52
◆地球上で一番硬い物質、ダイアモンド。その硬さはルビーやサファイアの4倍以上もあり、何十年、何百年使用しても形か崩れず、最初の輝きを保ち続けます。また、ダイアモンドの高い屈折率はブリリアントカットに磨くと一層強い輝きを放ち、光を虹色に分解する力か強いので、美しいファイアー(虹色効果)をも引き出します。絶対的な硬度と比類のない光輝、そしてその稀少性と永遠性こそが、ダイアモンドが宝石の王として世界中の人々から絶賛を浴びている理由です。
宝石の王といわれるだけにその流通機構も特殊で、ダイアモンドの相場は、ダイアモンド・シンジケート(デビアス中央販売機構)が常に市場の動向を眺めながら生産と供給をコントロールして、価格の暴落や暴騰がないように統制しています。


RUBY【ルビー】
7月の誕生石:情熱・仁愛・威厳
和名:紅玉
モース硬度:9
屈折率:1.76-1.77
比重:4.00
色:赤色のみ
生産地:ミャンマー、タイ、スリランカ、ケニア等
◆ルビーとサファイアの鉱物名をコランダムといいます。成分は酸化アルミニウムで、純粋なものは無色ですが、その中で微量成分(2%前後)の酸化クロムを含有したものは鮮やかな赤色になり、ルビーと呼ばれています。そしてルビー以外の色のコランダムは、すべてサファイアと呼ばれます。
◆ルビーの赤色を産地別に見るとこのようになります。
ミャンマー産 最も美しい赤色
スリランカ産 淡色で明るい赤
タイ産 やや濃色で褐色を帯びている
◆大きなルビーは世界でも珍しく、最も高価な宝石といえます。天然ルビーで3ct以上のものは非常に少なく、5ct以上になるとごくまれで、もし遭遇したら一応は疑いましょう。世界中を探しても、10ctを越えるルビーは数えるほどしかありません。
◆スター効果(星彩)を示すルビーがあります。その理由は、シルク・インクルージョンと呼ばれる針状結晶が、60度と120度に交差して密に配列することがあります。これをカボッションにカットすると、六条の星が現れます。


SAPPHIRE【サファイア】
9月の誕生石:誠実・慈愛・望徳
和名:青王
モース硬度9
屈折率:1.76-1.77
比重:4.00
色:青、黄、ピンク、紫、無色など赤色を除く各色
主産地:ミャンマー、スリランカ、タイ、オーストラリア、タンザニア等
◆サファイアといえば、青色が一般的です。その中でもインドのカシミール地方で採れるコーン・フラワー色(矢車草の青色)は、サファイアの最高級品といわれています。ミャンマー産のロイヤル・ブルー、スリランカ産の淡色系ブルー、タイ・オーストラリア産の濃いブルーなども有名です。
現在は科学的研究が進み、熱処理によって色の改善ができるようになったため、色による産地の判別はつきにくくなりました。現在市場に出ているほとんどのサファイアやルビーは、色の改善が施されています。
◆サファイアの多彩なカラー・バリエーション。
サファイアには青色だけでなく、無色から黄・ピンク・緑など様々な色があります。コランダム宝石の中で赤色(ルビー)以外の色はすべてサファイアなのです。
イエロー・サファイア
ピンク・サファイア
パパラチア・サファイア
グリーン・サファイア
バイオレット・サファイア
ホワイト・サファイア
◆スター・サファイア
ルビーと同じく、スター効果を示すサファイアのことです。


EMERALD【エメラルド】
5月の誕生石:幸運・幸福
和名:緑柱石(ベリル宝石の変種)
モース硬度:7.5〜8
屈折率:1.570-1.576〜1.590-1.600
比重:2.68〜2.78
色:緑色(クロムにより着色)
主産地:コロンビア、南アフリカ、ブラジル、タンザニア、ロシア、インド等
◆緑色透明宝石の代表エメラルドは、クレオパトラも愛用していたといわれるほど美しく、歴史的にも価値の高い宝石です。
鉱物名をベリルといい、淡青色のアクアマリンなどと同じ仲間です。良質なコロンビア産のものが世界の産出量の80%を占め、顕微鏡で拡大すると、液相(食塩水)・固相(岩塩結晶) ・気相(ガス)の三相インクルージョンが見えるのがその特徴です。
◆エメラルドは、傷の多い宝石です。昔から、通常は傷を少なく見せるため、エンハンスメント(改良)がされています。超音波や有機溶媒による洗浄は避けましょう。


AQUAMARINE【アクアマリン】
3月の誕生石:沈着・勇敢・聡明
ベリル宝石の変種
モース硬度:7.5〜8
屈折率:1.573-1.580
比重:2.71
色:淡青色
主産地:ブラジル、マダガスカル、インド
◆ベリル宝石の中で青色のものをアクアマリンといいます。エメラルドに比べ、キズが非常に少ないのが特徴です。ベリルの中に鉄分がごく微量に入ると、青色になります。
語源はラテン語でアクアは水、マリンは海、つまりきれいな海水の青色をした宝石です。
◆ベリル宝石にもさまざまな色があります。
モルガナイト・・・紅色
ヘリオドール・・・緑黄色
ゴッシュナイト・・・無色
その他の色・・・色名+「ベリル」(例えば、イエロー・ベリル)
◆アクアマリンとブルートパーズの外観はとても似ているので、屈折率や比重検査で区別しています。


TOPAZ【トパーズ】
11月の誕生石:友愛・友情・希望
和名:黄玉
モース硬度:8
屈折率:1.61-1.62 1.63-1.64
比重:3.50〜3.57
色:黄色〜ピンク色、無色、褐色、橙色、青色
主産地:ブラジル、スリランカ
◆トパーズは黄色宝石の代表です。特にやや赤味を帯びた黄色は高価です。また、アクアマリンの青色に似ているブルートパーズも人気の宝石の一つです。
巷では、違う種類の黄色い石を○○トパーズと呼ぶことがありますが、誤解を招くことがあるので使用を避けましょう。(例えば、シトリンをトパー、シリトン・トパーズ等と呼ばれることがかつてありました。)


OPAL【オパール】
10月の誕生石:心の歓喜・安楽
和名:蛋白石
結晶系:非晶質
モース硬度:5.5〜6.5
屈折率:1.44〜1.47
比重:1.98〜2.20
主産地:メシキコ、オーストラリア、ブラジル、アメリカ
◆オパールの美しさはチラチラと各色に輝くプレイ・オブ・カラー(遊色効果)と呼ばれる特殊な光の効果がポイントです。そして石自身が持つボディーカラーによって、オパールは次のように大別されます。
A ウォーターオパール (無色)
B ファイアーオパール (黄〜赤色)
C ホワイトオパール (乳白色)
D ブラックオパール (灰〜黒色)
A・Bはメキシコ産で、メキシコオパールかメキと呼ばれます。
C・Dは主にオーストラリア産です。
◆これらに加え、ブラックオパールに似ていて、褐鉄鉱の母岩の上にオパールの簿い層が重なってできたホルダーオパールという美しい宝石かあります。その一方、遊色効果のないオパールをコモンオパールと呼んでいます。
◆オパールはとても熱に弱い宝石なので、注意が必要です。また、着色処理の一種で、オーストラリアやアンダムーカ産の多孔質のオパールを、砂糖水などに浸した後、硫酸で炭化させてブラックオパール風にしたものを焼きオパール(シュガー・トリーテッド・オパール)といいます。オパールを二層二層と張り合わせ、ブラックオパールにまねたものもあります。


TOURMALINE【トルマリン】
10月の誕生石
和名:電気石
モース硬度:7〜7.5
屈折率:1.62-1.64
比重:3.00〜3.12
色・各色(ほとんど全ての色有り)
主産地:ブラジル、アメリカ、スリランカ、ケニア、タンザニア等
◆トルマリンは、摩擦や加熱をすると静電気を帯び、磁石のようにホコリを引きつけます。このような特性から日本では電気石と名付けられました。
トルマリンにはほとんどの種類の色があり、緑や赤、ピンク色がその代表的なものといえます。トルマリンの緑といえば、少し暗めの緑が一般的ですが、タンザニア産のクロムトルマリンと呼ばれるものは明るいエメラルドグリーンで、とても人気があります。また、赤いトルマ
リンをルベライトと呼ぶことがあります。
◆トルマリンは変化に富んだ成分組成を持っていて、中には一つの結晶で二つ以上の色を持つパートカラーや、外側が緑色で内側がピンク色をしたウォーターメロン(すいか)と呼ばれるものがあります。アレキサンドライト効果やキャツツアイ効果を示すものもあります。


GARNET【ガーネット類】
1月の誕生石:真実・友愛・忠実
和名:ざくろ石
モース硬度:6.5〜7.5
◆ガーネットといえば褐色や紫がかった赤い宝石を思い浮かべますが、ガーネットは一つの鉱物を表す言葉ではなく、結晶構造がガーネット構造をとる鉱物の総称です。天然には含有成分によって7種類に分類されます。もちろん赤以外の色もあり、それぞれに名前が付けられています。
アルマンダイトガーネット・・・暗赤
ロードライトガーネット・・・紫赤
パロープガーネット・・・赤
グロッシユラーライトガーネット・・・緑(別名ツァボライト)
アンドラダイトガーネット・・・緑色はデマントイドガーネット
スペサルタイトガーネット・・・橙色
ウバロバイトガーネット・・・緑色(ごく小さい結晶)


AMETHYST【アメシスト】
2月の誕生石:誠実・心の平和
和名:紫水晶
モース硬度:7
屈折率:1.544-1.553
比重:2.65
主産地:ブラジル、アフリカ、ザンビア、等各地
◆昔から紫を高貴な色とされる日本では、アメシストは愛好される宝石です。また、アメシストの名称は、ギリシャの言葉で「酒に酔わない」という意味の「amethystos
アメタストス」が語源です。アメシストが酩酊に対して解毒作用があると考えられています。
クォーツの中で、最も価値が高い水晶が紫色で、ライトカラーとミドルカラーは世界的に広い範囲で見つかり、その中でもアフリカ、ザンビアが主要産地です。濃い紫色を見せるアメシストはブラジルで産出されます。
日本では「アメジスト」という呼び方をされることがありますが、正式には「アメシスト」が正しい名称です。


CITRIN【シトリン】
11月の誕生石:友愛・友情・希望
和名:黄水晶
モース硬度:7
屈折率:1.544-1.553
比重:2.65
主産地:ブラジル、アフリカ、ザンビア、等各地
◆フランス語でレモンを表す“citron”から名づけられています。
1883年にブラジルで、アメシストを加熱すると色調が黄色に変化することが発見されました。それまでも一部で得られていた茶色の深い天然シトリンではなく、鮮やかな黄色のシトリンを安定して作り出すことにが出来るようになりました。今では多くの宝石で行われている一般的な加熱処理です。
最近では黄色にかすかな緑色が入った、爽やかな色相が特長的なレモンシトリン(レモンクォーツ)も人気があります。また、シトリンは11月の誕生石であるトパーズと同じ月の宝石として、世界中の人々に親しまれています。


PEARL【パール(真珠)】
6月の誕生石:健康・長寿・富
モース硬度:3.5〜4
主な色:ホワイト、ブラック、ピンク、クリーム、シルバー、ブルー系
主産地:日本、オーストラリア、タヒチ諸島等
◆鉱物ではなく生命体が作り出す有機質の宝石として、第一番に挙げられる宝石が真珠です。日本の特産でもある真珠は、慶弔、季節、年齢、服装を問わず広く愛用され、宝石のスタンダードといえます。一般に、真珠は次の3種類に大別されます。
1.天然真珠(Natural Pearl)
2.養殖真珠(Cultured Pearl)
3.模造真珠(Imitation Pearl)
真珠貝に異物(砂や虫など)が入りこむと、貝は分泌物を出し、貝殻の成分と同じ炭酸カルシウムの真珠層で異物を包みこんでしまいます。長い間、異物を核に同心円を描くように分泌が続き、天然真珠が作られていきます。
養殖真珠は、砂や石の代わりに人工的にドブ貝で作った核を入れた後、真珠貝を養殖して真珠を作らせます。
天然真珠と養殖真珠の差は核の形が違うだけです。日本の市場ではほとんどが養殖真珠で、ふつう真珠といえば養殖真珠を指します。また、貝やガラス玉に真珠塗料を塗った貝パールなどの模造真珠もあります。
◆現在真珠養殖に使われている主な貝は次の通りです。
1.アコヤ貝(和玉)
2.シロチョウ貝(南洋玉)
3.クロチョウ(黒真珠)
4.マベ貝(半形真珠)
5.イケチョウ貝(淡水真珠)

参考文献
JEWELRY GUIDE マテリアル編
御協力いただいた機関
社団法人 山梨県宝石貴金属協会
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